京都が、いきいきと目を覚ます。
このような才媛に声をかけられるのは、 千年来のことなので。
わたくしも、目を瞠る。
ピュアな水晶少年のイメージをもって登場した詩人の、多彩きわまりない円熟ぶりに。
(帯文:新川和江)
栞解説文:鈴木比佐雄 |
四六判/168頁/ソフトカバー |
定価:1,542円(税込) |
発売:2010年2月14日
【目次】
Ⅰ
桜めぐり 10
ポエトリーガーデン 14
ウエサク祭の夜 18
観音さま日和 22
月光丸 28
いぬの仔もねこの仔もひとの子も 34
四月のダライラマ 38
伯母するひと 44
ライアーに出逢った頃 50
読む詩歌う詞 56
ライアーと歩む日々 62
Ⅱ
昭和ドリームランド 66
あの人は、今 72
石好き 78
「塩」を運ぶ 82
明美さんの灯り 86
一期一会ということ 90
茶道入門 94
天女座を訪ねて 98
妖精の声 102
猿のはなし 106
水絵の町で
高野橋西詰 110
奇 跡 115
東福ノ川会 116
『オーク』があった頃 120
Ⅲ
久世光彦さん ゆめまぼろし
幻の唄 126
神様の演出 129
幸福の電話 133
久世さんと神戸で 135
卒 哭 138
アスパラ豆腐の味 141
久世さんの墓所で 144
Ⅳ
銀月アパートの桜 152
あとがきにかえて
銀月アパートという謎 160
撮影データ 164
初出一覧 165
略 歴 166
京都の人びとが千年の建物を愛すると同時に九十年前の住まいも大切にして、共に生きようとしている心意気や美意識を感じ取った。淺山さんのエッセイ集にはそんな左京区の人びとの普段着の素顔や美を大切にする暮らしが描かれている。それを多くの人びとにも読んで欲しいと願っている。
(鈴木比佐雄/詩論家「栞解説文」より抜粋)
京都に暮す詩人・ライアー(竪琴)奏者である著者が、 左京区に昔から実在する「銀月アパート」を始めとする京都の隠れた見所を描く。京都通・必携の一冊。
故・久世光彦氏とのエピソードにも心を動かされる。